全館空調はやめたほうがいい?メリット・デメリットに答えます! | トスケンホームブログ

全館空調はやめたほうがいい?メリット・デメリットに答えます!

全館空調はやめたほうがいい?メリット・デメリットに答えます! 住まいのこと

建売住宅で増えている、全館空調システム。
全館空調があれば家全体の空調が一定に保たれ、快適な生活を実現できます。
この記事では、全館空調の仕組みや種類についてまとめました。
メリット・デメリットも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

そもそも全館空調とは?

そもそも全館空調とは?

全館空調は、冷暖房により家全体を365日適温に保つための設備です。
家中の寒暖差がなくなるため、「脱衣所が寒い」「2階が暑い」といったことがありません。
ハウスメーカーによっては「全館冷暖房」の名称の場合もありますが、同じものを指しています。
なお、全館空調の役割は、冷房・暖房の他に換気も含まれます。

全館空調は電気代が高すぎるって本当?

「家中で空調を効かせるなら、電気代がかなり高くなるのでは?」と思う方もいらっしゃいます。
結論、全館空調だからといって電気代が大幅に高くなることはありません。
全館空調の性能や種類にもよりますが、トータルで比較すると、全館空調はエアコンよりも電気代が抑えられます。

エアコン4台を1日18時間×9ヶ月稼働させた場合と、全館空調を24時間365日稼働させた場合の電気代を比較すると以下の通りです。

比較条件エアコン(4台)全館空調
稼働時間18時間×9ヶ月24時間365日
電気代/年約13万円約10万円
出典:全館空調は普通のエアコンより高い?電気代を実例でご紹介!(株式会社イシカワ)

全館空調の方が年間約3万円、電気代を抑えられることがわかっています。

カビやゴキブリの発生リスクはある?

「全館空調だとカビが発生しやすそう」「全館空調だとゴキブリが出やすくなるのでは」とお考えの方もいるかもしれません。
全館空調だからといって、カビの発生やゴキブリの侵入が増えることはありません。
とはいえ、カビの発生を防ぐには、定期的なメンテナンスが必要です。
例えば清掃や点検でダクト内にカビが発生するのを防止できます。

またゴキブリは、通常の住宅と同じように排水口や換気扇、玄関や窓からの侵入を防ぐことが重要です。
網戸のスキマを埋める、換気扇や通気口にフィルターを付けるなどの対策をしましょう。

全館空調とエアコン・24時間換気の違い

全館空調と混同しやすいものに、24時間換気があります。
また、通常のエアコンとはどう違うのか疑問に思う方も多いようです。
それぞれの違いについて以下にまとめました。

設備特徴
全館空調暖房・冷房・換気の役割を果たす。
家中の室温を快適に保つことが出来る。
24時間換気2003年の法改正で新築住宅への設置が義務化。
換気機能のみで室温調整はできない。
エアコン各部屋の空調を管理。
部屋ごとに温度設定が可能。

24時間換気との違い

24時間換気は、シックハウス症候群の対策を目的とした設備です。
全館空調には室温調整と換気両方の機能がありますが、24時間換気は換気機能のみです。
日本では、2003年に建築基準法が改正され、新築住宅をはじめ全ての建築物に機械換気設備の設置が義務付けられました。
シックハウス症候群を防ぐには、換気回数0.5回/h以上が必要とされ、これを24時間換気システムが補っています。

エアコンとの違い

全館空調と比較されやすいのがエアコンです。
どちらも室内の空調を管理する点で共通していますが、エアコンが各部屋の空調を管理するのに対し、全館空調は家全体の空調を管理するのが大きな違いです。
ビルや商業施設などで使われるのも全館空調です。
エアコンの場合、設置された部屋ごとに温度を設定でき、オンオフを切り替えますが、全館空調は全て一括して温度管理されています。
また、エアコンの役割は部屋を温める・冷やすなどの温度調整のみですが、全館空調はそれらに加えて、室内の空気を入れ替える機能も有しています。

全館空調には4つの種類がある!

全館空調には4つの種類がある!

全館空調には大きく4種類あります。

種類特徴
天井吹き出し型最も一般的な全館空調。
天井に設備と換気扇を設置し、
ダクトで全室に配管して室温を調整。
小屋裏冷房・床下暖房型 夏は小屋裏から冷気を、
冬は床下から暖気を送り、室温を調整。
壁パネル輻射型冷水や温水をパネル内に流すことで室温を調整。
壁掛けエアコン型1台の高性能エアコンで、
各部屋の間仕切りに設置した採風場所へ風を送る。

それぞれの仕組みや室温調整の方法を詳しく見ていきましょう。

天井吹き出し型(ダクト式)

天井に専用設備と換気扇を設置、小屋裏などの空調室からダクトで全室に配管し、空調をコントロールする方法。
最も一般的なタイプです。
ダクトを通じて各部屋とつながっており、追加でファンを付ける必要がありません。

小屋裏冷房・床下暖房型

小屋裏冷房と床下暖房をセットにしたシステムです。
夏は小屋裏から冷気を、冬は床下から暖気を送ることで室温を調整します。

壁パネル輻射型

壁や床、天井に輻射パネルを設置し、冷水や温水をパネル内に流すことで室温を均一にするシステムです。
空気の流れではなく人体や家の温度調整をするイメージです。
冬は焚き火をしている空間のようにじんわりと温まり、夏は鍾乳洞のようにひんやりします。

壁掛けエアコン型

1台の高性能エアコンから、ダクトを通じて各部屋の間仕切りに設置した採風場所に冷暖風を送ります。
吹き抜けや階段の空間を利用するため、間取りに工夫が必要です。

全館空調のメリット

全館空調のメリット

全館空調のメリットとして主に以下の4つが挙げられます。

  • 家中の室温が一定に保たれる
  • 室内の見た目がすっきりする
  • メンテナンスの手間が少ない
  • 光熱費が安い

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

家中快適な室温を保てる

全館空調システムによって、家全体の室温が均一に保たれます。
脱衣所でのヒートショックや季節の変わり目の風邪予防にも効果的です。
どこへ行っても心地よい室内環境を維持できるのは、大きなメリットです。

室内の見た目がすっきりする

全館空調があれば、個別のエアコンや暖房器具は不要。
室内の見た目がすっきりとし、インテリアコーディネートの幅が広がります。
家の外に置く室外機も全館空調システムの1台分だけなので場所を取りません。

メンテナンスの手間が少ない

エアコンの場合は設置台数分のメンテナンスやお手入れが必要ですが、全館空調の場合はその手間がありません。
ダクト式の全館空調であれば、機械本体にフィルターが付いているため本体のメンテナンスだけで済みます。

光熱費が安い

高気密高断熱の住宅であれば、全館空調を用いることでエネルギー効率が高まり、光熱費を安く抑えられます。
また、AIによる自動運転、人感センサー搭載など、最新技術を用いた全館空調であれば、状況に応じて適切に温度調節されるため、さらなる光熱費節約が期待できます。

全館空調のデメリット

全館空調のデメリット

全館空調には若干のデメリットも存在します。
特によく言われるのが次の3つです。

  • 部屋ごとの温度調整ができない
  • 空気が乾燥しやすい
  • 導入コストが高い

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

部屋ごとの温度調整ができない

全館空調システムでは、家全体の温度を一括で調整します。
そのため、リビングは23度、寝室は20度など個々の、部屋に応じた設定はできません。
体調によっても温度の感じ方は変わります。
微調整が必要な場合は他の冷暖房器具も併用しましょう。

空気が乾燥しやすい

全館空調は室温を快適に保つ一方、湿度までは調節できません。
特に冬場は部屋の乾燥が気になることも。
加湿器を使いながら、湿度の調整を心がけましょう。

導入コストが高い

全館空調システムの導入には高額な初期費用がかかります。
システムの設置工事や機器の購入費用など、あわせて150万円〜300万円ほど。
初期費用を考えるとエアコンを各部屋に付けたほうがお得です。
ちなみに、トスケンホームの建売住宅は全館空調システムが標準搭載されているので、別途費用もかかりません。

全館空調でよくある質問

全館空調でよくある質問

まだまだ全館空調搭載の住宅は少なく、具体的な生活イメージはわきにくいもの。
お客様からも全館空調に関するさまざまな質問をいただきます。

中でもよく聞かれるのが以下の2つです。

  • 全館空調の問題点や弱点は?
  • 全館空調は何年くらい持つ?

それぞれの質問に対する詳しい回答をご用意しました。

全館空調の問題点や弱点は?

全館空調の問題点(弱点)としてよく言われるのが、故障時の影響です。
全館空調が故障すると、冷暖房だけでなく換気システムもストップしてしまいます。
換気システムが止まると、シックハウス症候群を防ぐための「換気回数0.5回/h以上」が実施できず、健康面でリスクが生じます。
早めに対処できるよう、定期メンテナンスは欠かさず受けましょう。

また、トスケンホームの全館空調システムはメンテナンスが簡単で、故障時の修理・交換も安価なため安心してお使いいただけます。

全館空調は何年くらい持つ?

全館空調の一般的な寿命は10年程度と言われています。
故障時の修理費用は高額になることが多いため、住宅会社や空調メーカーで用意している保証制度の利用がおすすめ。
機種によっては業者による点検だけでなく、自分で掃除できるタイプもあります。
こまめに掃除することが寿命を伸ばす秘訣です。

ちなみにトスケンホームの住宅に搭載されている全館空調は、自分でお手入れ可能な機種となっており、お手入れ方法などもお伝えしますのでご安心下さい。
また、修理・交換費用も安価なため安心してお使いいただけます。

まとめ

全館空調は家全体を快適な温度に保ち、光熱費の節約や見た目のすっきりとした空間作りに大いに役立ちます。
トスケンホームでは全館空調搭載の建売住宅を多く販売しています。
住宅見学では実際の設備をご覧いただける上、全館空調ならではの快適な室温を体感できますので、ぜひお気軽にお問い合わせ下さい。